暗天/星ノ唄あとがき

完結後にあげるつもりですがこれを書き始めているのは4章の後半です。何言ってんだ?
ちょうど今スランプ気味なんで、暗天の意欲を復活させるために「この物語で描きたかったことは何なのか?」というのを書き出してみようと思ったんですよね。で、「…それ完結後にしたい話やんけ!」となったという。
なのでこの記事の途中までは「描き上げてないのに書かれたあとがき」です。描き上げないと書けない部分もあるので、そこはちゃんと描き上げたら書きますよ。

 

 

目次
・この記事何?
・『暗天/星ノ唄』のテーマ
・タイトル
・キャラクター
 →明日原朱鷺
 →朽葉勝利
 →白星勇気
 →喜多方葵
 →朽葉梔子
・舞台設定
 →妖退治の一門
 →唄詠みの剣
 →生者語りき
 →黒天白星
・各章解説
 →1章
 →1章幕間
 →2章
 →2章幕間
 →3章
 →3章幕間
 →4章
 →4章幕間
 →5章
 →終章
・ぼやぼや

…多いな…www(この目次も4章幕間描いてるこなつが書いています)

 

 

 

この記事何?

私が聞きたい。…というのは冗談で。
完結まで無事持っていけた(書いてる今はまだ途中だけどここまで来たらもう大丈夫でしょ!…大丈夫だよね?)ので、せっかくだからしっかりしたあとがきが書きたいなあと思い、筆を取ってみたものになります。
なお、めちゃくちゃ字数があります。(スクロールバー参照)(というか、目次がある時点で…)
頑張ったし描いてて楽しかったし自分はそこそこ満足しているものの、拙い漫画ではあったなあと思っているので、「ここはこういうつもりで描いてたよ!」みたいな話を全部しています。「作者が何のつもりで描いたのか」を公表することを一種のタブー、そうでなくとも野暮だと考えている方が読むことはおすすめできません。
私も何だかんだ野暮派閥なんだけど、この溢れる衝動を我慢できなかった…。
あ、あともちろん暗天を最後まで読んでない人もできればここでブラウザバックしてください。以下は暗天本編を全て読んだ方向けの、ネタバレオンパレード文章になります。

 

 

『暗天/星ノ唄』のテーマ

テーマというか、描き始めてから「これ、こういう話なんだな」と思ったっていう話なんだけど。
『暗天/星ノ唄』は、『居場所』をめぐる話だったなと思っています。何で過去形なんだ?(まだ描いてる)居場所をめぐる話です。
このテーマ、こうやってパッと出したら7~8割くらいの人に「なんとなくわかるわ」って言ってもらえる気がするんですが、どうでしょうか? メインキャラクターたち、みんな「居場所」をめぐって戦ってたな…って感じしない?(黒天だけはちょっと温度感違うんですけど、後述します)
最初からそう見せることを狙っていたわけではないんですが、わりと初期の段階でこのストーリーの核心部分に気付いたので、以降は細かい部分でそれっぽさを回収してる感じです。

 

 

タイトル

クssssッソ難産だった。こういうの描こう! タイトルどうしよう? ではなくて、タイトル決まったから描くしかねえな!? みたいなノリだった。
思えばこのタイミングだったかな、「ポエム詠みたくない!?」ってなったの。ポエムがしたかったからこのタイトルになったと言っても過言ではない。
ラストまでは決まっていて、言ってみれば夜の空中戦がラストバトルみたいなもんなんで、それっぽいワード入れつつあとはトドメ刺す黒天白星の『唄』を入れて〆た感じです。
タイトルロゴも気に入ってる~。シンプルだけどオシャレに見える。ようやっとる、と思う。
確かだけどこのロゴ、私がクリスタデビューする前に作ったやつのはずだからAzPainter2で作ってるんだよね…懐かしいなあずぺさん。めっきり使わなくなっちゃったけどすげーソフトなんだよなあずぺさんは…。

 

 

キャラクター 
明日原朱鷺

朱鷺ちゃんの話をする前に。この漫画の主人公って誰に見えてるんですかね…? 個人的には三択あると思ってて、「1、朱鷺ちゃん」「2、黒天」「3、こくとき二人」のどれかだと思うんですけど。
この辺の話を描いた人が「こうです!」って言うの、別に悪くないんだけど、せっかく三択ある状態なのにその中に正解の選択肢があると提示してしまうのめっちゃナンセンスだと思うんですよね。最初からこの子!って決まってればその限りではないんだけど、私その辺はフワッとしたまま描いているので。

で、朱鷺ちゃんと黒天についてはどっちがどっちも主人公に見えるしそうじゃないかもしれないという前提で話をします。
テーマに絡めた話をすると、朱鷺ちゃんはわかりやすく『居場所を奪われるかもしれない立場にあり、それを阻止しようと足掻く』キャラクターだったと思います。こう言うとすごい主人公っぽくない? 朱鷺ちゃんが主人公に見えた!って人はこういう動きをしていたからこそ主人公に見えたんじゃないかと。
そう言うと何も『暗天/星ノ唄』という世界観に限った話ではなく、明日原朱鷺というキャラクターは『居場所』という軸で話をするならば必ずこのポジションになると思っています。多少ディテールは異なることはあるかもしれないけれど。

朱鷺ちゃんの挙動なあ~!決してマイペースではない、自分本位ではないんですが、「自分がやるべきことは一門の役に立つこと」「朽葉さんには迷惑をかけない、そして彼女に何かあれば五倍以上にして返す」という凝り固まった意識で動いているので、どうしても無茶ばかりするように見えるんですよね。
本人もそれが自分のエゴだとわかっているので、周りを突き放しがちだったりして…。

なんかここまで書いておいてアレなんですが朱鷺ちゃんって別に自分のキャラじゃないので間違ったことをちらほら言ってるかもしれない。私の口から「こういう子!!」ってはっきり言えないのが難しいんだよな、明日原朱鷺と喜多方葵…。

 

 

恋愛の絡まない明日原朱鷺

暗天という恋愛絡まない話描いてて思ったけど、恋愛ものは人に訴えかけるエネルギーがマジでデカい。「恋愛ものというだけで作品に搭載される初期装備エンジンの火力が尋常じゃない」と感じました。

それがいいか悪いかは置いておいて、私なんかはときあおちゃんをとにかく可愛がりたいオタクが心の七割を占めているので、そいつを宥めて寝かしておくのにめちゃくちゃ神経を使いました。白黒は恋愛絡まなくてもというか最悪ときあおちゃん絡まなくても自我強でそこそこの火力を出せるのでそこまで悩まなかった(諸説)んだけど、ときあおちゃんはどうしても初期装備エンジン込みの彼女らのことばかり考えてしまいがちだから(この辺がうちよそオタクだな~と感じる)それを取り除いた彼女らの取り扱いが本当に難しかった。まだまだわかんないことばかりだよ…。

まあでも私はキャラクターの多面性が見えると興奮するタイプのオタクでもあるので、暗天で恋愛の絡まないときあおちゃんを描いて彼女らの奥行きを感じることができてそれは本当に楽しかったです。難しかったけどやってよかった。

 

 

ぶっちゃけ明日原朱鷺の居場所の在り方を肯定するのムズくね?

これ、終章を描くときにめちゃくちゃ困ったことなんですけど。朱鷺ちゃんの居場所、手放しに「良い場所だね、これからも守っていこうね」とは言えなくない!?!?言えんやろ!!!
言えなかったので結果的に濁してしまう()ことになるという…。オチへの寄せ方としては朱鷺ちゃんと葵ちゃんはすごい似てるんだよね。どちらも「私が確定させられない」からふんわりオチさせるのが丸いかな~と。
先にも言いましたが明日原朱鷺の挙動って結構ずっと無理してるので、余裕ある生活したいマン(描き手自己紹介)としては「絶対それ疲れちゃうよ…」と思うわけです。あくまで私の価値観だからその落とし方は違うだろうと思ってやめたんですけど。

朱鷺ちゃんのその居場所に対する向き合い方について、本当の意味で客観視ができてるキャラって黒天だけだと思うんですよね。ゆうあおはちょっと距離あるし(葵ちゃんは全部分かってて横取りするつもりだったのか甚だ疑問だし)、梔子は逆に当事者すぎ&当人がフィルターかけがちだから客観的な評価ができないと思ってて、じゃあちょうどいいのだ~れってなったときそれは黒天だと思ったんですよ。
とは言え彼は「朱鷺ちゃんの居場所を守るために戦った」わけではないです。この辺については黒天の項で話すからここでは割愛するんだけど、そもそも黒天って別にお人好しではないので「それやめとけよ」とは言わないし言う発想が恐らく無いんですよね。

そもそもこの問題の解決方法は「朱鷺ちゃんがここ以上の居場所を見つける」とかになってしまうだろうし、なんていうか、それはコストが高すぎる。ゆうあおをブチ消すリターンとしては相応しくない。規模的にも、性質的にも。だって一門(と黒天)からしたらゆうあおは「すべての血を賭けて倒さなければいけない敵」とかでも何でもなく、そこらの墓荒らしと同格の「駆逐対象」でしかないもん。それを討ったからと言って評価が上がるわけではない。朱鷺ちゃんの居場所は確かに守られたけどその質が変わるなんてことはあり得ない。
もちろん倒せなかったら倒せなかったで朱鷺ちゃんの評価はダダ下がりだったと思うので、この一連の戦いは「よくて現状維持・悪くて評価下落」のローリターンなものなんですよね。
朱鷺ちゃんからしたら自分の居場所と体を賭けてこれなわけ。黒天だったらそんな危ない橋は絶対に渡らないです。高いリスクを飲むならリターンは高くないと絶対に納得しないタイプなので。…まあ何度も言っているとおりこれは朱鷺ちゃんが受けた取引であり、黒天はな~んも関係無いんですけど。

と、言うのをすべてまるっとわかっていて、黒天は「好きにしろ」と言いました。もしかしたら朱鷺ちゃんはこの言葉で自分の居場所について悩むかもしれないし、はたまた肯定しきるかもしれないですね。物語の終わりにその先を感じさせる無限の可能性END、わりと好きです。
そして黒天は既にゴールに限りなく近いタイプの奴なので、対比の意味でも朱鷺ちゃんのオチは自由なものでいいんじゃないかな…と思ってました。重要人物の四分の三がほぼゴールしてる暗天、何?

 

 

 

朽葉勝利

あえて黒天と呼ぼうかな。こいつだけはマジで居場所とか関係無かったですね。
あいつなあ、我が強すぎてそもそも居場所にこだわって戦うタイプじゃねえ…と思ったんだよな。俺のいる場所が俺の居場所、以上!!一人でテーマを無視しないでもらいたいですね。
暗天じゃなくてもそうなんだけど、朽葉勝利というキャラクターは動かしていて本当に楽しいですね。私の趣味凝縮してできた存在だからそらそうなって感じなんだけど。
暗天の黒天は特に、色々なものに雁字搦めにされていて…その、好き…ですね…(公式服更新したけどあのデザインのメインモチーフは『拘束具』だったのでつまりそういうことなんだよね)。まあその不自由をものともしないところを含めてめちゃくちゃ好きなんだけど…。
そういうのもありつつ、「朽葉勝利というクソマセガキをちゃんとガキ扱いするのが好き」という趣味もしっかり丸出しにできたのですごく楽しかったです。暗天で一番描いててしんどくなかった。その分作画コストは一番すごかった。

朱鷺ちゃんの項で話した主人公の話の続きをするけど、彼が主人公に見えた人ほぼいないんじゃない?と思っています。少なくとも私は客観的に暗天読んだら黒天を主人公だとは思わないかな…人によるとは思うけどね、もちろん…。
暗天じゃなくても黒天という存在はなんていうかすごい、何だ? よくて『スピンオフでなら主人公できる枠』っぽい…とは思っていて、今回も例に漏れずそんな感じの動きになったなあと。だってなんかこいつの精神ほぼ完成してるんだもん。
あーでも、『暗天/星ノ唄』というタイトルは黒天のためにつけたタイトルと言っても過言ではないので、そういう…重要な重きを持っていくという部分だけは主人公っぽさありますかね。ドラえもんみたいなやつですよね。もしくはバカボン(?)。

 

 

『待ち望まれた子』

唐突にTRPGのシステムの一つであるダブルクロス3rdの話をするのですが、ルールブックに記載のある『キャラクター作成工程』の中に、「そのキャラクターの出自を決める」というものがあります。
知っている人は知っている事実なんですがこくときゆうあおは元ネタがこのダブルクロスにあります。つまり、朽葉勝利も上記工程を踏んで作成されているということです。
で、この出自というのはダイスで決められるものなんですが(表があるので、そこから自分で選ぶでもよい)、朽葉勝利はここが『待ち望まれた子』になっています。
私はこの設定がダイスで決まったものながらめちゃくちゃ気に入っていて、スターシステムで朽葉勝利を色んな世界観にぶち込むときにこの出自をどう料理して配置するかをめちゃくちゃワクワクしながら考えているんですね。暗天の彼も色んな意味で『待ち望まれた子』でした。今のkonagonattsuめっちゃニッコニコしとるで…。

実際、可愛がられてはいると思う。なんていうか…本人がそれを一切望んでないだけで、黒天はめちゃくちゃぬくぬくやってると思うんだよな。その結果我儘人間になったとかじゃないのが面白いところですけど。
剣の呪い抜きにしても好意的な肉親(嫌い)とミスを許してくれる上司(嫌い)がどちらも揃っていますから、そりゃ朱鷺ちゃんからしたら全てにおいて恵まれているように見えるでしょう。うるせ~!知らね~!じゃないんだよ。何でこうなっちゃったんだ…。
ああでも、待ち望まれた子だからこそプライドは高くなってしまったのかなという気はします。そしてそのプライドを育てた環境に対して牙剥くんだから酷い親不孝者だよ。…と言うのは冗談で、彼の場合はその環境に多くの思惑があった・それに気づく聡さがあったのでこうなってしまったのはしょうがないかなと。だって普通殺人は許されないもん!!
「殺人を許容してでも黒天白星という刀と刀の使い手を手元に置いておきたい」という思惑は、黒天本人にとってはおぞましいものでした。別にその失態を恥じているわけではないんだけど(この辺がサイコ)、確かに弱味を握られた感覚があったというか。朽葉勝利という人間は潔癖症なので、なんかもうそれすら許せなかったんだよな。
それはそれとして、お館様の考えは「いや普通そうはならんやろ」なので、彼(?)も大分価値観ズレてる人なんだろうなと思います。数百年とか生きてるのかもしれない。決めてないです。

 

 

黒天の生きる目的

戦う目的、と言い換えてもいいと思いますが。
黒天ってすげー打算的だし、戦略的なことをすごく考える奴なんだけど、それでも「自分が在りたいように在る」ことの優先順位を一番にして未来と現在の重きのバランスをすごい絶妙に保ってるよな…と思います。打算的に考えるということは未来に重きを置いて考えるということだと思うけど、同時に「今自分がやりたいことをやる」という現在に重きを置く行動もちゃんとする。朱鷺ちゃんとは違ってマジで「自分がやりたいことしかやらない」んですよねこの男…。
だからなんていうか、多分長期的な目標とかは無いんだよな…。目的が無いから空っぽということでは全然なくて、「目的が無くても稼働できる」という特性があるんだと思う。こいつは「その場限りでも自分の存在を示せる」なら稼働できるんだよね。それが目的になってる節はある。
何だろう、途中までは真剣に囲碁打ってるんだけど、途中でやりたいなと思ったらその碁盤に躊躇なく猫を放つような奴なんだよな。基本的にルール違反することに何の抵抗も無いからな…忘れそうになるけどこいつクズなんだよな…。

 

 

 

白星勇気

何なら一番の被害者というまである、『格の低いラスボス』という名誉をほしいままにする、みんな大好き勇気くんです。…というのは冗談で。
彼は『奪われた居場所を取り戻したい』キャラクターでした。…取り戻したい、とは言ってないし、むしろ壊そうとしてるんだけど、でも彼って作中で一番精神年齢が低い奴なので、素直になり方を知らなくてああなっちゃった感じがあります。自分のものにしたい、そのために他人から奪いたい、というプロセス踏んでる…って表現の方が正しいのかも。

信じていた父親に裏切られ居場所を追いやられた幼い勇気は、そのイベントを経て負の感情を募らせ、葵ちゃんの手を取り人間をやめることになります。
たまにTwitterでも話すことなんだけど、勇気の闇堕ちってすごくわかりやすいんだよな。勇気の闇堕ちについて触れてる記事を前に書いたことがあるんですが、そこにはこうやって書いてある。

自分の愛する家族が自分の学んだ道徳を破っているという事実、自分が助けたかった子供たちを惨殺された絶望、それと自分も実験動物として扱われるシンプルな恐怖によって、普通の道徳教育でできた勇気の性質はものの見事に逆転してしまうわけです。

(中略)

勇気の発狂による「変化」は成長や学習というものに到底収まるものではないし、羽化や進化と呼べるほどポジティブではない。脳味噌シェイクされるくらいの激しい絶望と怒りで完全に変わってしまった、これをずばり言い表せる日本語が思い付かなかったから「発狂」と呼んでる…みたいな感じ?だろうか。

ここで話してる詳細な話は本筋から離れるのでしないとして、勇気の闇堕ちのトリガーはわかりやすい『怒り』『絶望』『恐怖』なんですよね。いやわかるわ…何と比べて「わかる」かって、朽葉勝利のクソ高プライドとクソ強自我と比べてだよ!! 勇気はわかりやすいからいい奴だよ、描写しやすくて…。
今回改めて白黒の対立構造を描きましたが、勇気は「殺す!!!」って気持ちをちゃんと持ってきてくれたので描写がめちゃくちゃ楽でした。勇気関連のイベントは全部さほど悩んで出力してないと思う。優秀~~~!影のMVP~~~!!

 

 

暗天の勇気の『格』

図解した。暗天の勇気はマジでマイルドなんだよという話がしたかった。
先に「精神年齢が低い」って話をしましたが、暗天の勇気は5歳で道を踏み外し葵ちゃんと出会っています。元ネタの勇気は18歳で人間をやめており葵ちゃんとは出会ってないので(!?)、実はこの差が格に直に響いているような気がしてます。5歳でやらかすのと18歳でやらかすのとでは話が違うし、成長過程に葵ちゃんが関わる・関わらないでは精神年齢の伸び方がすごく違うだろうなって…。
葵ちゃんも幼さの塊のような女の子なので、その子としか満足なコミュニケーションを取っていなかった暗天の勇気が子供なまま大きくなってしまうのはしょうがないよなと思ったりします。
葵ちゃんに子育ての才能がないのはなんとなく解釈一致だな…(笑い話)。

別に単純思考=格が低いと思ってるわけじゃないんだけど暗天の白黒は「ちゃんと考えてる奴VSあんまり考えてない奴」みたいになったので、勇気…もうちょっと物を考えられればなあ…という気がしました。何で勇気のこと応援してるんだこの人?
どこが「考えてない」と思うかと言うと、まあ…葵ちゃんの利用方法、ですよね…。暗天の勇気、葵ちゃんの利用方法がマジで下手なんだよな。多分情があるからなんだけど…。
あ、そう。暗天の勇気は葵ちゃんに情あります。復讐のための力を与えてくれた人であるということ、そして自分に尽くしてくれる人であるということ、子供のまま大きくなった勇気は素直にこういうことを考慮して情を抱くと思う。
それでも最後は足引っ張られたので激昂しましたけどね。最後まで抱いた情を貫けたらよかったけど、そんなことができるほど余裕がある子供じゃなかった。
元ネタの勇気が葵ちゃんを利用するってなったらもっと胸糞な使い方してますよ。それで格が高くなるかはわからないけど、少なくともそれは子供の発想力で思いつくやり方じゃないはずだから、暗天ほどのガキ臭さは無かったんじゃないかなと思う…。やっぱり暗天の勇気はマイルドなんだよな。
マイルドな方が良いのか悪いのかはわからない。葵ちゃんのことを考えるとマイルドでよかった~!って思うけど…。

 

 

白星勇気の描写はデリケート

そんなわけで格低ラスボス勇気くんはあんな感じになってしまいましたとさ。
いや本当これ誰にも信じてもらえないと思うけどkonagonattsu別に勇気sage勝利ageしたいわけじゃないからね!! 何か勝手に格を下げていくんよこいつが…。敗因は葵ちゃんの扱いがぞんざいだったことだけど(小声)。
これでもめちゃくちゃ気にしてました。勇気ageした方がいいのでは…!?って思ってました。そうしないと勝利とバランス取れないかもなって…。でもぶっちゃけ勇気ageってすごく難易度高いよ。だってこいつ意識的に悪属性してるんだもん…黒天みたいに無意識だったらやりようがあるけど、勇気の場合は勇気が悪たろうと動いているからメタ的な介入(イベントの差し込みなど)が難しいんだよな。
勇気の挙動を出力するのは先に書いた通り簡単なんだけど、少し気にしだすと途端に手が止まるやつでしたね。「まあ私が見てて面白ければいいか…」の思想のもと、気にするのをやめましたとさ。私は格の低いラスボスが結構好きだから…。
でもまあアレじゃない? 勇気がこうだったおかげで葵ちゃんのラスボスとしての格は結構担保されたような気がする。この辺の話は葵ちゃんの項に譲りましょう。

 

 

 

喜多方葵

すべての元凶その1。この物語は勇気を倒すとエンディングを迎えられるゲームでしたが、真のラスボスはやはり彼女でした。
葵ちゃんは最初、自分の居場所を取り戻すために勇気を唆して鬼にしましたが、勇気が思ったより自分に構ってくれたので居場所別に取り返さなくてもいいな…ってなってきていたという設定です。思えばこの辺描けてないですね…難しいな漫画って…。
そう考えると勇気と同じ『居場所を取り戻したい』キャラクターであるのにも関わらず、勇気とはその温度感がかなり違うような気がします。取り戻すって言ってるのに壊そうとしてる勇気を止めたりはしていないのでうかがい知れますよね…。多分この、『居場所を取り戻す』ために勇気と行動を共にする、というあたりが大事なんだろうな。葵ちゃんにとっては。

結局最後まで「何で彼女はこんなに勇気に尽くしてくれるんだ…」ってなってたんですけど、これは暗天関係なくkonagonattsuがいまいちよくわかってないからですね…。だからゆうあおって難しくて描けないがちなんだけども。
「名前を呼んでくれた」と何となく表現しましたが、それだけのつもりです。この辺はひいろさんが言ってたことから拝借しただけなので、だから何?の先は私には描けないな…と。
んだもんで最終的に「私の感情は勇気さんのものなのであなたには教えてあげません」と抱え落ちさせることになりましたとさ。何だかんだこれが勇気への感情を感じさせながらディテール詰めなくていい一番の方法だったのではないでしょうか。
朱鷺ちゃんと葵ちゃんのオチをふわふわさせておくことにリソース割いてんなあ~。やりたくてやってるんだけどね…。

 

 

ぶっちゃけ恋だと思う

「何でこんなに尽くしてくれるんだ」と書きましたが、なんとか形容しようとすると『恋』になっちゃう気がするな…。朱鷺ちゃんの項で「恋愛の絡まない朱鷺ちゃんと葵ちゃんを描けてよかった」って言ったばかりなんだけど!? 本人は恋愛感情を自覚してはいないと思いますが。
暗天の葵ちゃんは梔子に身体と魂を切り離されるまで他の人と会話したのなんて数えるほどしかなかったと思います。昼間は朱鷺ちゃんが出てきてるし、夜は閉じ込められたりしていたので。そんな女の子にさあ、歳の近い、ずっと構ってくれる男の子が現れたらそりゃさあ!という気持ちになる…。
あと最後の最後まで暴力らしい暴力もされてなかったと思うので、暗天のゆうあおわりとマジでちゃんと仲良しやってんだよな。ちゃんと仲良しやってるゆうあおでさえああやって破滅するんだから勇気のしょうもなさたるやって感じなんだけど。
こういうことをつらつら考えていると、暗天の彼女は大分わかりやすいのかもしれないですね。普段のkonagonattsuは「葵ちゃんわかんねえよ~~~;;」と泣いてるけど…。

大前提として恋愛感情を自覚していないと書きましたが、本当に恋愛感情かどうかは諸説あると思ってます。これはどこでも言えることだけど、そのキャラだけの唯一感情にあえて名前をつけるなら「恋」かな…みたいな話なので。フワフワしてる。
難しいよな、クソデカ感情って恋に分類しやすすぎてそっちに流れちゃいがちなんよな。

 

 

ラスボスとしての格は勇気に勝ってる

真のラスボスであるということ、中ボス勇気のことを最後まで見捨てなかったことを考えると葵ちゃんの方がこう、ラスボスとしての美学を感じるんだよな…。本人にそのつもりはまったく無かっただろうけど。物語の構造的にそうなってしまってるという話であって、葵ちゃんは本気で勇気のこと好きでああやってたんだけど!

konagonattsuは葵ちゃんをラスボスにしたがる悪い癖があるんだよね。konagonattsuの理解の外にいるから…(朽葉勝利もそう)。
元ネタの葵ちゃんのことがわりとマジでよくわかんなくて、数年間「葵ちゃんのことわかんねえよ~」って言い続けてるんだけど、葵ちゃんのラスボス化はそれが反映された結果なのかなって思います。暗天の葵ちゃんはわかりやすめ?だけど、喜多方葵という概念に対して「わからん」というバイアスがかかってるからさ…。
いやまあ、愛なのはわかるんだけど、何で愛!?ってなっちゃうのよ。愛、難しい…。朽葉勝利の恋も彼の中にしかない唯一感情だと思ってるけど、葵ちゃんの愛も彼女の中にしかない唯一感情だと思うし。

ちょっと脱線するね。何度でも言うけど私の好きなゆうあおこれなんだよ!古い絵ですが…。

この絵いいなあ~~めっちゃ古いんだけどデフォルメぎみなおかげで使い回せている。
こういうゆうあおが好きです。葵ちゃんを呪いの女扱いするのが大好きなオタクだ! 暗天の葵ちゃんはさほど呪いらしくないけどね。
こうやって暗天のゆうあおについて思いを馳せていると、暗天のゆうあおは単純明快でわかりやすい悪役やってるな~と思います。

 

 

 

朽葉梔子

すべての元凶その2。いや元凶でしょ! 悪いことは一切してないけど! メインのキャラではないので話はちょっとだけにします。
戦闘能力だけなら作中随一ですがとにかくメンタルに難ありのお母さんです。朱鷺ちゃんの育ての親であり、黒天の実母です。
朱鷺ちゃん…というより葵ちゃんに対して「罪なき子供を斬った」という罪の意識があり、黒天に対しては「守りきれなかった」「今からでも剣の呪いから救いたい」という意識を持っています。ねえ〜〜〜〜…(前者は利用され、後者はそら嫌われるわなという感じ)。
報われない人というわけではないけど、すげ~~ままならない人なんだよな、梔子は。梔子の話は恐らく章解説の方でたくさんするので、割愛します。

そう言えばせっかくなので梔子の旦那、つまり勝利の父親の話するんですけど、朽葉蜻蛉(くちば かげろう)と言います。『朽葉さんちのいぬとねこ おかわり!』を読んでくださった方は覚えてるかも…彼です。朽葉梔子が妊娠中に亡くなりました。
蜻蛉は『虫の知らせ』のような未来予知に近い能力を使うことができ、勝利の常人離れした危機察知能力(描けてねえよ)は父親譲り、という設定。蜻蛉のこの辺の設定、暗天ではない別のところで使おうと思って没になってたのを掘り起こして持ってきました。朽葉勝利、未来予知男×一門最強女の間に生まれてるからサラブレッドソルジャーなんだよなあ…。

 

 

舞台設定

せっかくだから喋ろうと思ったんだけどこの漫画って「いつものキャラクターたちで何となくこういう話が描きたい!」で出発してるから、ちゃんとした世界観設定してないんですよね。具体的に言うと年代設定とか、技術レベルとかまったく決めてない。描きたかったのは「和風主従バトル!!(おおはしゃぎ男子小学生)」だったので、なんか…それっぽくなればいいやと思って…。
横文字の単語を使うか否か、というのも迷ったことがあったんですが、こんなフワフワな世界観補強して何になるねんと思ったので普通に横文字も使ってしまっています。まあこちらの方がキャラクターの使う言葉として合ってる気がするというのもあるし、よかったのではないでしょうか。

 

 

妖退治の一門

具体的な家の名前すら決めてないざっくりっぷり。
でもまあ、数百年は続いている家なんだと思います。そして数百年続いた末に血を繋ぐことが難しくなり、外部から力のある人を招いて属させている…というのは2章で描いたとおり。梔子も外部から招かれた人間側だと思います。蜻蛉は決めてないけど。
外部から人を招いてまで存続させている家なので、「そこまでしているのだから力を誇示し続けなくてはならない」という考えがあります。お館様が黒天に甘いのは、彼が魔剣をも使いこなす力のある人間だからに他なりません。
まあその甘さは黒天にとって逆効果なんだけど。

 

 

唄詠みの剣

名前の由来はもちろん「ポエムが付録についてる剣だから」です(言い方…)。
「唄」は「詩」とするのが正しいんだけど、なんか「詩」を「うた」って読ませるのすごいファンタジーっぽいというか…いやわかんない、私が勝手にそう感じてるって話なんだけど、すごい西洋風に感じました。音のリズムというか音の数にこだわって「かたな」ではなく「けん」を使っているせいもあり、「詩」の方を採用すると和風っぽさが足りないなあ…と思ったので、「唄」の方を採用しました。「唄」って漢字、すごい和風っぽい。さっきから雰囲気の話しかしてねえ!
結局『唄詠みの剣』って何なのよ? っていう話ですが、作中で語られた通りです。ある名刀鍛冶が打った、特殊な力を持つ…というか、最早「呪い(まじないと読む)」だよねw そういう刀です。
作中登場したのは梔子の『生者語りき(せいじゃかたりき)』、勝利の『黒天白星(こくてんはくじょう)』の2振りですが、多分他にももっとある。決めてないけど。そしてその2振り両方に、妖退治に適した呪いがかけられています。

 

 

生者語りき

朽葉梔子が持つ刀です。FGO的に言うと死霊特攻な呪いがかけられています。
死霊特攻が過ぎて生きているものを傷つけないこともできる(もちろん物理的に切ることも可能)、結構トリッキーな刀です。いや黒天白星も大分トリッキーだけど…。より簡単に言うと、「生きているものにやさしく、死んでいるものに厳しく」の剣です。最初からそう言えよ!
作中では生きている人間の体から霊体を切り離すという芸当もやってます。それがなあ…できなければなあ…こんなことにはなあ…
あとこれも作中明かされていることですが、「生きているものにやさしい」ので、自分(これは刀の一人称です)と相性マッチしている朽葉梔子の体に不老の影響を与えています。正確に言うと『人間が最高パフォーマンスを発揮できる年齢・状態を維持させる』かな…生命力がすごいんよねこの剣。ちなみに与えている影響は不死ではないです。でも多分腕切り落とされるくらいだったら生やしてあげられると思う(この辺が無理やりくっつける黒天白星との違い)。

 

 

黒天白星

朽葉勝利が持つ刀です。FGO的に言うと…何だ? ガッツ?(笑えねえよ…)
大体作中で語った通りです。本来は「刀の使い手を戦いに最適化させる」みたいなやつなんだと思います。あとはある程度強い退魔の呪いもかかってるかな。でもこれは多分唄詠みの剣みんなについてる特性のはず…。
作中で妖刀、魔剣のような扱いをされていたのは、その呪いの性質がめちゃくちゃ攻撃的が過ぎて使い手を使い手の意思に関係なく妖絶対殺すマシーンにしてしまうからでした。
腕がちぎれようと「無理やりくっつけるから戦い続けるんやで!」をやる刀なので…いやそら魔剣呼ばわりもされらあ。ちなみに言及されなかった裏設定を話しておくと、黒天白星も生者語りきと同じく勝利のこと不老にさせると思う。黒天白星と朽葉勝利が契約したのは彼が子供のときで、その後ちゃんと体は成長してる描写があるんですけど、それは単純に「まだ止めるの早いわ、こいつはまだまだ強くなる」と思われてたからです。多分二十代後半くらいで止まるんじゃないかな。梔子もそのくらいだし…。刀の才能が無いなどあまりにも相性が悪い使い手であればこの限りではないので普通に老います。

また図解。梔子+生者語りきは相乗効果で強い!って感じだけど、勝利+黒天白星は自我VS呪いするためにお互いめっちゃ頑張ってる感じ。

2振りの詳細としてはこんな感じでした。なんていうか、私は「これこれこういう性質!」からの拡大解釈が好きすぎるな…。
ちなみにこの2振りの名前はダブルクロスの梔子・勝利の二つ名から取ってます。

 

 

 

各章解説
ここからめちゃくちゃ画像引用が増えます。
1章『廻幕/人ノ定』

サブタイトルの読みは「かいまく/ひとのさだ」ですが、初っ端から読みづらすぎるんだよなあ…?
「廻幕」は当然のように造語です。始めの章なので始まるぞ〜!感を出したくて「開幕」をもじりました。
廻の字を当てはめたのはこの物語が「人の行いが巡り巡ってこうなった」というものだったので合うかな〜と。あと普通に好きな漢字です。同時期にやってた俺の屍を越えてゆけプレイ日記の初代当主も廻って名前だったし…閑話休題。

 

今見るとマジで絵が拙い、でもなんか最後の方より背景とかは頑張ってる気がする。
この章はこくとき2人の関係性を見せるだけの章になってました。言わば序章だし序章でいいじゃんとは今でも思う。でもなんか、全部で5章あるのがまとまりよくない…?と思っちゃって…。

 

伏線らしい伏線はありませんが、強いて言うならここで朱鷺ちゃんが進んで囮をやっているのは彼女自身が自分の特性について把握しているからでした。黒天も知ってる、多分…(知らないとそんなリスキーなことさせないと思うので)。

 

このコマ直したすぎるけど多分やらないから直したい気持ちだけあるという表明だけでもしておこう。
力任せに斬る、ということをしてない…というのもここから何となくわかればいいな〜と思ってました。2章で本格的に触れるけど、黒天はテンションが低いうちは効率重視で無駄を削ぎ落とした戦い方してそうだな〜と思い…。テンションが高くなったとき? まあそれは奴がかっこつけをしたくてたまらなくなってる時なのでお察しです。

 

可愛い可愛いと愛でまくってる朱鷺ちゃんに鼻血を出させるkonagonattsuのこと嫌いじゃないよ。

 

 

1章幕間

幕間は「1章幕間→2章幕間→3章幕間→4章幕間」で時系列を遡っていくようにしてました。これは最初から決めてたことだったはず…。そしてそれぞれの幕間の主役が違うってところも決まってたことでした。
1章幕間の時系列はかなり最近です。具体的な時期は決めてないけど2人とも(あと一応びえらも)今と変わらないように描いてるし。これは元ネタの2人も17歳と18歳で出会っているところから来ています。
元ネタと違うのはお互い何となく存在を認知しあっていたというところだろうか。梔子を挟んで接触してなかったんだよなこの2人。

 

 この辺のポエムは暗天本編描くより大分前に書いてて、本編書くにあたって引っ張り出してきました。意味するところは言葉のとおりだけど、今となっては黒天側から見た方が重い言葉に思えるな…。

 

 このコマなんか、びえらが装束着崩しで朱鷺ちゃんが着崩しなしでちゃんと着てる…っていう細かい性格の描写できてる感あって好きです。

 

 これ以降あんまりイケメン扱いできなくなるからここぞとばかりにイケメン扱いしてるな。

 

 あと最初っからびえらと遠海さんを便利なキャラ扱いしてて面白いな。

 

 ここ見てると普通に仲良しそうに見える。黒天、若い女の子相手には対応がやや優しくなるというかわざと思わせぶりになるので普通におちょくって笑ってくれます。全部打算的だけど。

 

 ここで朱鷺ちゃんの言ってる罪悪感は「この才ある男を自分の配下に置くこと」への後ろめたさ…ですね。だからここから話を広げてる。あくまで自分を下に置きたがるところ、朱鷺ちゃんだなあ…と思います。

この頃まだコマ割りというかコマの中の構図が単調だなあ…。だんだん直っていく、と思いたい。

 

 

2章『災騒/鬼ノ火』

サブタイトルの読みは「さいそう/おにのひ」です。「災騒」で「わざわい」と読めても面白いかな、と思い、ここだけ既存の熟語をもじらず来てるはず。(一応「暗天」ももじったわけじゃないんだけど「暗転」と被るし半分半分かなって)
ゆうあおの初登場章だったので「鬼ノ火」としています。5章と並ぶくらいわかりやすいサブタイしてるんじゃないかな。

 

いきなり真っ暗なところから始まってますが、2章幕間でこの暗闇で黒天が何をしていたのかがわかるようにしたつもりです。しれっとしすぎてこの時点ではすごい謎だけど、幕間読むと「訓練されすぎてる…」って思ってもらえるといいな、とか。

 

初登場、と言えば梔子もここで初出です。何気にキーキャラになってしまった…梔子、こくときの間に挟むだけでこくときの深みが増すので手放せなくなりつつあります。
梔子は本編に混ぜる上では「めちゃくちゃ強いのに精神的に甘い不安定な人」に見えるといいな…と思ってたので息子の言うことに振り回されたりちょっとしたことで緊張したり取り乱したり…っていうのを描いてました。

 

ここで描きたかったのは朽葉親子のスペック差かな。力の梔子、技の勝利みたいなのを描きたかった。
あとこの二人の差異と言えば、梔子は特攻する方が向いてて黒天は動かずに受ける方が得意…みたいなのもあります。2章の梔子と1章の黒天で戦闘スタイルの差がわかるように…なってたらいいなあ!とね!

 

これは暗に「素手格闘でも戦える」ということを言ってるわけですが、元ネタの方ではむしろ肉弾戦こそが彼女の得意分野だったので多分暗天世界でもめちゃくちゃ強いんだと思う。相手が妖だからやりにくいだけで…。

 

この頃から黒天白星を「女に見立てる」つもりでいたっぽいです。

 

このシーン、好きだな〜!!!なんていうか構図が好きだ。

 

こういう会話で黒天のしょーもなさが見えるとオタクは興奮しちゃうんだ。私は何?作者だけど…。

 

ここ、実はセリフミスってたことに気づいていつだったかに直したんだよね。直す前のを覚えてる人はいない(私も覚えてない)と思うけど、4章幕間描くあたりで読み返して繋がらねえじゃん…となったので耐えきれなくて直しちゃいました。

 

「みんなに期待されてる」、ねえ…。なんかこう、キャラそれぞれで知ってること・知らないことに差がある状態で発生する噛み合わなさ?が好きです。この黒天、「上の人たちが自分が正義を殺したことを知ってる」ことを知ってるんだよな…。

というわけで、ゆうあお初登場。葵ちゃんの足をまともに透けさせたのここくらいしかなかった気がする(処理がめんどくさくて…)。ここの2人は人魂集めて食って力を蓄えてるとこですね。

 

ほんと背景頑張ってんな…。背景苦手マンがようやってるってレベルであって上手いわけでは決してないけど。そもそも背景頑張ったら自分が潰れるのわかってたからそんなに力入れられなかった…(何でもいいから描き切ることが1番だと思っているので)。

 

忘れもしない、この辺は夏に週一更新をしてたところですね。平日働きながら、北海道住みゆえ冷房のない自室でこのクオリティを保って週一更新してたの、今思い出しても気が狂ってるな…。
線が大人しいなあ。使ってるペンは同じのはずだけど、ペンサイズは流石に一定に出来てませんね。

 

勇気は「人魂を食ったから」鬼になったけど、普通の鬼は人魂を食えば食うほど強く・賢くなるんですね。「人魂を食う妖」のことを鬼と呼んでるのかもしれない。勇気のこと以外はあんまり細かく決めてないけど。

 

このコマ好き(自分のことを褒めるのが得意なフレンズ)。

 

この辺も本編描く前に絵にしたことあるんだよな。しかもカラーで。

 

こっちの構図の方がよくね?と思うんだけど、何で変えたんだっけな。連続性とか気にしての事だったとは思う…。

 

私は勇気の口調が荒くなるタイミングが大好きなオタク!!!!!何だろうね。ギャップ萌えとかそういう感じのアレなんだろうか。

 

パースとかめちゃくちゃだろうけど勢いがあるのでわりと好きだな。やってることもわかる…?どう…?人の評価が絡むと途端に自信無くなっちゃうんだけど。

 

葵ちゃんがここで姿を見られないように・勇気が顔を隠しているのは、梔子はこの2人の顔を知っているから…ですね。梔子を罠に嵌める計画がある2人は、そのタイミング以外でネタばらしするわけにはいかなかった…ということです。黒天も勇気の顔見る機会はあったかもしれないけど、黒天白星を持たされた直後の記憶があやふや…というか無理やりシェイクされてツギハギパッチワークみたいになってるという設定があるので、見たことあったとしてもわからなかった、という感じです。

 

このページの使い方は今でも大好き。

 

スーパーマンみたいな動きしておいてこの扱いされる朽葉梔子…こういうところが強者としてままならないんだよなあと思います。まあこの人母親としての立ち回りがそんなに上手くない、ましてや相手はあの朽葉勝利なのでしょうがないような気もする。

 

 

2章幕間

12年前なので勝利が6歳の頃のシーンですね。黒天白星との契約から1年経っています。

 

 ここ、正義がおよそ「黒天はそんなところにおらんやろ!!」てところを探してるのが面白くて好き。正義は勝利の理解者でもなんでもないので、こういうことはするよね…(本人にバレたら普通に叩かれると思う)。

 

 神様!?てなられたと思う…笑 記録の神…使役できる神だから式神的なやつなのかも? 山田です。実は2章で梔子初登場の後ろにもいました。眼鏡のデザインフワフワしてるかも?

 

ここで2章冒頭の伏線を回収。そしてこのショタ天は暗天の中でちらほらある「特に描きたかったところ」のうちの一つでもあります。
音も光も届かない暗闇で1人、精神修行をする…というのは少年漫画でよく見るやつかもしれませんが、この黒天の場合は暗闇+黒天白星の「体の主導権を奪おうとしてくる」特性と戦わなくてはいけないので、人より発狂しやすく消耗しやすい…という設定です。

 

この頃から既に強自我の片鱗が見えて良。

 

正義は罪悪感から黒天のことをちゃんとした子供扱いしたがってたんですよね。勇気の代わりとしてではなく、息子の身代わりになってしまった哀れな子供をせめて健やかに育ててやりたかった…というアレです。言葉にするとますます黒天がキレそうなこと考えてんな…。

 

少し時間が飛んで4年前…黒天が14歳の頃の話。元ネタでも朽葉勝利の14歳は彼の転機だったりします。
勝利と正義、こういう会話が逆に「仲良い父息子」に見えて心臓が痛い………………………(オタク感情)。

 

これちょっとわかりづらいな。黒天白星に体の主導権を奪われてるシーンです。「斬ってはいけない」相手に対して弱すぎる…と思うけど、逆に言うとこれくらいだよね、黒天白星にとってのピンポイントな弱点って。

 

でもここで刀落としてるんだな。黒天白星に制御奪われたまま刀落とすとは思えないから、精神的なショックで一気に主導権を取り戻したんだと思う。

 

当然人殺しは許されないよね。ましてや仲間内でなんて、前代未聞だったわけです。
元々の性格がアレで御しづらかったのでチャンス!若い芽は潰したろう!て思ってる人も中にはいたんじゃないだろうか。黒天自身に罪が無いとは私は口が裂けても言えないけど、黒天白星の特性を知った上でその責任を子供相手に押し付けて蹴り落とそうと考えてしまう人は普通にどうかと思う…。

 

でもこの場が狂ってたのは「殺人を許容する」という決断が下されたことなんだよな。それほどまでに黒天白星の存在はある意味で呪いだった。呪いを受け持てる器として朽葉勝利という剣士が必要だった、というのがこのシーンで言ってることです。

 

これは朽葉梔子渾身の地雷原タップダンス。
息子の事故のような殺人が許された、母親からしたらとても安心しちゃうのはしょうがない。でもそれは黒天のプライドをズッタズタにすることなんだよね…。朽葉母息子のこういうところが私は好きなんだけど、当人たちはいつまで経っても和解できなくて可哀想。

 

めっちゃイキイキしながら描いてるな、キレ顔。

 

 

3章『混濫/道ノ外』

サブタイトルの読みは「こんらん/みちのそと」です。「混乱」をもじって「混濫」としていますが、意味はそのまま「パニックになる」とかそういう感じ…濫の字には「物事が度を過ぎて道に外れる」という意味があるみたいなので、「道ノ外」にもかかっていることになります。初めて知ったわ…(?)
「道ノ外」はそのまま、「外道」のニュアンスで大体合ってますが、勇気が道を踏み外してしまった…という意味が大きいかもしれません。

 

 冒頭は朱鷺ちゃんのモノローグからスタートしていますが、ここは「明日原朱鷺が一門の人間に役立たずと見下されている」と「喜多方葵が里の人間から迫害されている」の二つのイベントを重ねている描写のつもりです。「いつの」という疑問は前者のイベントだけでは起きえないので、伏線っぽい言葉選びはできてるかな…と思う。朱鷺ちゃんが喜多方葵として過ごした記憶は蓋されててわからないですからね。

 

日本家屋の戸の高さってそんなに無いんだな…て調べてて思った記憶。気にする余裕があるとちゃんとやれるんですけどたびたび伸縮してると思うな、この家の扉…笑

 

推しの女の子の土下座描いてるこの人…。朱鷺ちゃんのことを考えれば考えるほど責任感と重圧と真面目さで土下座くらい普通にするんだよこの子!!!助けてくれ。

 

朱鷺ちゃんと2人きりだとからかってきたりして優しくないけど、周りが相対的に気に食わない人間ばかりになるとこうやって朱鷺ちゃんに助け舟だしてくれる黒天。この辺から話の主導権も勝手に攫ってますね。

 

根に持ってる根に持ってる…。

 

朱鷺ちゃんからしたら何やってくれてるの!?なのはしょうがない。自分が必死でご機嫌とってる人たちを無遠慮に怒らせるようなことするんだから…。それでもこうやって前置きするあたり、朱鷺ちゃんは黒天の賢さはちゃんとわかってるんだけど。色々言ったけどビンタは描きたかったので描けてよかったね。

 

この間は思い当たるところがある…っていう間ですね。ここには朱鷺ちゃんがいたので流していますが、黒天はここで察してた。

 

なんかこの回黒天の顔の作画頑張ってるな。いつもこいつの作画コストに悩まされ続けてたな…。

 

ここお気に入り。かわいい。

 

くちときだーーー!!!みんな大好き(?)、くちときだーーー!!!

 

別に梔子の腕に不安があるとかではないんだけど、朱鷺ちゃんはとにかく梔子に迷惑がかかることを嫌がるのでここに関しては逆効果だった…ということですね。梔子は実子に対しても朱鷺ちゃんに対しても正解の対応出来ないねえ!
女ってめんどくさいな。な(5章…)。

 

ゆうあおのターン。計画の話してますね。

 

このシーンから溢れる葵ちゃんのラスボス感…ゆうあおはこういうのを見せておいて蓋を開けたら恐怖政治だった、というちぐはぐさがミソだったのかなと思います。
そういえばここで葵ちゃんが勇気に触れてますが、葵ちゃん→勇気は触れられるけど逆はスカるって設定があります。常に一方通行コミュニケーションのゆうあお、切ない(本当に?)。
何気にここで葵ちゃんの目的っぽいのも見えていますね。実は優先順位は低めなんですけども…。

 

 

3章幕間

3章の幕間は勇気がメインのはずですが、それ以外で動いていた人がちらほらいるせいでメインの人の出番が少なめですね。そしてこの幕間で1番描きたかったのは勇気よりも梔子の方だったりします。

 

 ここの正義、2章幕間と全然違う顔してて好きだな…。実の息子である勇気を呪いの押し付け先にされそうになり、逃がしたばかりなのでこういう顔にもなるよね。
本当は勝利を身代わりにするという手も使いたくはなかったはずですが、黒天白星という刀が持ち主不在のままでも危険だということがわかっていたので渋々身代わりとするしかなかった…という感じです。ここの正義は心を鬼にしてる状態。

 

 ここの勝利が黒い服を着ていないのはメタ的な意味で彼がまだ「黒天」ではないことの暗喩のつもりだったりします。寝息を立てている描写もそれです(黒天は寝息を立てずに眠る設定があるため)。

 ここの梔子がすげー描きたかった…親としての挙動は間違えがちですが、親でありたい気持ちに嘘はないというのが彼女のアツいところかなあ思っています。

 

 ここで地面に伏せさせられるわけですが、4章で朱鷺ちゃんが黒天相手にやったのと同じような術です。
梔子はその立場から特定の主は持たず、一門そのものに縛られている…というイメージ?かな。従者側が従者をしているのはその力を他人が制御するためなので、梔子と言えどもその抑止力は必要だった…という話です。梔子の力が大きすぎて人間一人じゃ制御出来ないからせや!土地に縛り付けたろ!みたいな感じなんだと思う。
ていうかこいついつも床凹ませてんな。梔子の超パワーを描くことに命かけてるところあるので…。

 

 図星台詞。梔子、自分の子どものためなら結構無茶を通すタイプの母親なので正義のこととやかく言えないのは本当です。自分の息子の殺人を見逃してもらえて素直にラッキーって思う人間だもんよ。それがいい母親なのかどうかは私にはわかりませんが…。

 

 やっとここから勇気メインになるのか。
なんと言うか、幼い勇気を描いているときの「メタ的にわかりやすいガワを被せている」感すごくてですね…笑  勇気、発狂する前から髪白いイメージ無いんだよな。だから本当はここも何かしら塗ってもよかったんだけど、ちょっと混乱するかしらと思ってそのままにしちゃいました。上手いこと理由付けできればこの感覚は無かったと思うんだけど完全にこっち側の都合なんでね…。
ちらっと見えてるのは正義が護身用に持たせていた短刀です。この後思いっきり護身用どころじゃない使い方されるけど。

 

 めちゃくちゃ心が痛い。良心が痛むというより「順当に感情を運んだ結果がアレか…」という気持ちにさせられる…。こういう素直な勇気の存在はちゃんとわかってたんだけどこれまでまったく描いてこなかったので、これでいいのか…?本当に…?と思っていました。

 

 葵ちゃんこういうことするから…。
以前にネクロマンサー葵ちゃん漫画を書いた事があったんですけどやってることは同じなんだよな。葵ちゃん、勝手にこういうことしがち。

 

 

4章『終憶/人ノ咎』

サブタイトルの読みは「ついおく/ひとのとが」です。「追憶」をもじって「終憶」としています。
実質葵ちゃん章だと思っているので、追憶しているのは葵ちゃんかなあ。彼女は存在が終わっていると言えないこともないので(暴言とかではなく)、あてる字としては間違ってないかなと思います。こんな悲しい説明あるか?
「人ノ咎」はそんな葵ちゃんが自分の存在は悪なのか?と考えていることや、梔子がただそこにいるだけで何もしていない子供を斬ったという罪の意識に苛まれていることを表してるつもりです。
あとこれはまったくの偶然ですが朱鷺ちゃん章の1章のタイトルが「人ノ定」で葵ちゃん章の4章のタイトルが「人ノ咎」なの面白いなと思ってます。「定」は「法」と言い換えられなくもなく、「咎」はそのまま「罪」なので、対比になってる。すごい…(?)。

 

 とーみちゃんこと遠海さんをちゃんとした頭身で描くのここが初めてだったりする。びえらのパートナーです。彼女らも実はダブクロ出身なんだよ~。
遠海さんの腰に差してる剣は2つありますが、データ見返したら武器が警棒二刀流だったのでそうしました。二刀流剣士なんだよ~かっこいいよね~(でろんでろん)。

 

 山田もちゃんと出すの多分ここが初めてかなと思います。山田は偽名です。元ネタでも偽名です。…偽名というか、本人が勝手に名乗っているというか…。

 

 山田は人ではありません。神(?)と表現していますが、なんかこう…日本的に言うと付喪神とか、精霊とかそういう感じの生き物です。
元ネタでもこんな感じの人外であり、完全記憶能力を持ちます。一門の記録という記録は全て彼女の中に保管されています。

 

 こんな感じで質問すると返ってくるんですね。権限があればね…(目そらし)。
なんかこうやって「値を入力すると結果が出力される」相手だと朽葉勝利のロジカルっぷりが出る気がしていいですね。気がするだけですが…。
一つ目の問いを投げてダメなら二つ目、みたいな感じが…多分三つ目くらいまで用意してると思う。

 

 梔子が朱鷺ちゃんの出自に関する情報に鍵をかけた理由は「朱鷺ちゃん自身がその蓋を開けないようにするため」「他の人に朱鷺ちゃんの性質について知られないようにするため」です。
一門の人間が朱鷺ちゃんに対して当たりが強いのは、力もないのにどこぞの辺境の村からやってきたのが気に食わないからで、もともと葵ちゃんと一つの体だったということはほとんどの人間が知りません。これが知られたら余計に…だからね。

 

 先述した通り朱鷺ちゃんは何も知らないわけですが、どうなんだろうな。ちょっと気になるくらいはあるかもしれないけど、そしたらやんわり梔子に止められるから深く追及してない感じだろうか。
朱鷺ちゃんには梔子を崇拝してる節があるので「朽葉さんが言うなら…」ってなっちゃうだろうな…。

 

この顔好き。

 

朱鷺ちゃんが黒天に対して行使した術?は、3章幕間で梔子がかけられたものと同じだと考えてもらえれば。
形式上主従のかたちをとってはいますが、主と従だったら物理的に強いのは圧倒的に従の方なので、それを強制的に制御する術があるんでしょう。

 

強制制御の術を自我だけでなんとかしようとするなのシーン。
まあ朱鷺ちゃんも迷いながら使ってるだろうから強度が低かったのかもしれん。流石に二回目されてダウンしました。キャッキャ!(朽葉勝利が沈められるとキャッキャするオタク)

 

梔子出撃。
便利マップだな…。左上の円形のポツポツが妖の分布を示し、右下が一門の屋敷を示しています。ポツポツの方はリアルタイムで動くのかもしれん。謎システム。

 

暗天はもう〆ちゃったからアレなんだけど、くちときに関してはもう少し掘り下げたいな…という気持ちがあります。なんか描くかも。待ってて。

 

作画めっちゃ頑張ってるゾーンだったこの辺。
梔子が言ってる「刀の加護」とは、先に書いた生者語りきの特性のことです。普通の人間は冥土に足を踏み入れると正気ではいられないのですが、梔子は刀のおかげで普通のパフォーマンスを発揮できます。あとここで「冥土と俗世を切り離す」とも書いてるな。やべえな(?)。
まあ葵ちゃんが「俗世に冥土を顕現できる」と考えるとどっちもどっちなんですけど…。ここすごい怪獣大戦争っぽい。

 

全部本気なんだよなあ…。ここで「どこまで本気かを疑っちゃうあたり梔子はマジで自分の強さに慣れすぎなんだけど。
そう言えば、ゆうあおサイドの計画のことちゃんと書いておこうか。

①人魂を使って地力上げる
②一番の障害は朽葉梔子なので葵ちゃんでメンタルアタックして戦闘不能にする
③梔子が寝てる間に全リソースぶっぱで一門を轢き殺す
簡単に言うとこうです。
普通の生命体ではなくなった勇気と葵ちゃんにとって、梔子の生者語りきは天敵とも言える存在でした。直接戦闘では勝ち目がないので、ワンチャンある葵ちゃんで特攻しに行った…ということになります。
そこで失敗してたら普通にこの計画おじゃんだけどな。だからゆうあおにとっては②が一番の鬼門だったんだけど実際に潰されたのは③のフェーズだったという。

 

あーあーあー起きちゃった起きちゃった…。

 

これは普通に性癖シーンですね。バレバレだと思うな~ガハハ…。

 

ゆうあお、結構無闇にテレポートまがいなことさせてしまう…。
勇気さんのためなら尋問みたいなこともできる葵ちゃんだ~いすき! 勇気が関わってないとこんなことしないと思います。してももっとしどろもどろになってそう。
konagonattsuは冷たい葵ちゃんが好きなんだよな…なんか、一筋縄ではいかなさそうで…。

4章は幕間後もちろっとあるんだけど、その話は幕間側に含めちゃいますね。

 

 

4章幕間

この幕間が一番時系列的には前なのかな…?
3章幕間と4章幕間は近そうですけどね。別にどっちがどっちでも成立すると思うんだけど、元ネタでは朽葉勝利が朽葉梔子の元から離れてしまうのが朱鷺ちゃんがやって来る前の話なのでこういう構成になってるんだと思われます。

 

この子は葵ちゃんではなく朱鷺ちゃんです。周りの人には葵って呼ばれてる朱鷺ちゃん(ややこしい)。
朱鷺ちゃんの名前は梔子が与えたものだからそういうややこしいことになる…。

 

梔子がこの村に来た時点で葵ちゃんは夜だけおかしいということがわかっているので、夜は村の集会所みたいなところに閉じ込められていました。

 

下のコマの構図好きだな…。
梔子は生者語りきの特性があるので、対する妖には「めっちゃ逃げられる」「まず一番に狙われる→先にやらないとまずいと思われる」のどちらかされがちです。

 

これはテクニック的な話になるんですけど、この辺からクリスタのにじみ筆文字ペンをめちゃくちゃ使っていますね。このね~~~にじみがちょうどいいんですよね…。血としての表現もできるしこうやって『侵食する影』っぽいのもできて、重宝しました。
ん?筆『文字』?知らんな…。

 

な、なんだってー!この情報はこれ以上でも以下でもないんですが、「本人の意思に関係なく効果が出てしまう」というのがどうしようもないな…と思います。成長した…というか霊体になった葵ちゃんはある程度操作できるようになっているようですが。

 

このページやけに良くて(自分をほめるのが得意なフレンズ)どこも切り取れなかった…。
謎ポエム解禁だーー!!

言とは命あるものの定
言とは命あるものの則
言とは命あるものの力
其の剣は言を守るもの
其の剣は言無きものを断つ刃

多分こう…生者語りきの取説みたいなのに書いてあるんだろうな…(取説…?)。
これを唱えるとパワーアップするぞ!とかそういうわけではないんですが、どういう祈りのもと作られたのかわかるといいよね、ということでついているのだと思います。刀鍛冶さんの趣味だったのかもしれない。

 

ごめんなさい、とはつまりそういうことなのですが…。
ここで思いきり葵ちゃんの体に刃を突き立てているわけですが、生者語りきの特性を使い「その体には傷をつけず、魂だけを切り離す」ということをやっています。
必要な処置ではありましたが葵ちゃんはわざと妖を呼んでいたわけではありませんし、梔子は基本的には優しくて甘い人間なので(しかも相手小さな女の子だし)葵ちゃんのことも助けたかったと思います。
梔子、助けたい子供をいつも助けられないところばかり描いている気がする。描いてないところではもっとちゃんと助けてるはずなんだけどな…実際朱鷺ちゃんも助けたわけだし。細かい話は後述。

 

実は二章に山田とちらっと出てた人と同じです。梔子のお友達である九重さんです。名前出せなかったねえ…。

 

 

画面の明るさが全然違っていいですね。
これが梔子の『子供の守り方』なんだよなあと思うとため息が出ちゃいます。勝利からは刀という呪いを取り上げたいし、朱鷺ちゃんからは記憶を取り上げたという。

 

4章に戻ってきまして…。
ウマ娘流行ってるときに描いてたらどうなってたんだろうかと思うコマです。下のコマの線一部消すの忘れてるじゃねえか!

 

こういう、人間では気付かないことを動物は気づいて警戒する…みたいなの、色んなところで見る描写ですよね。結構好き。獣人とかでやると捗るイメージがあります。

 

この組み合わせ、多分暗天以外では描けないだろうな…と思います。よいこのぬりえはどうなるかわからんけど…。
何か前にTwitterでちらっと言ったことあるんですが、こくときとゆうあおって原則「同一の世界線に同時に存在できない」んですよね。朱鷺ちゃんと葵ちゃんの体は二人で一つなので。
暗天はそのあたりの都合を上手くつけて同時存在させてるわけですが結局片方消滅したし。こくときとゆうあおは結局そうなる運命なんだよな…そういうところが好きなんですが。
なのでこの組み合わせは激レアです。ときあおちゃんの体が勇気の前に現れるときそれは必ず葵ちゃんみたいなところあるからな。
まあこんなあからさま危険物ですみたいな組み合わせがホイホイ何度も出てきて溜まるかという感じなのですが。でも描けてよかったなあとは思います。せっかくですしね…。

 

 

5章『暗天/星ノ唄』


クライマックスの章タイトルはもはやこれしかないでしょう。これしか考えられなかった。読みはあえて言う必要も無いでしょう。
どんな作品でも肝となる話のサブタイトルがタイトルから引用されてると燃えるよね、という己の趣味から来た章タイトルになっています。まあ、話の内容的にも合ってるんじゃないだろうか。というか5章の内容をやりたかったからこその作品タイトルみたいなところあるから順序が逆かも。

 

出絶望(一門視点)から始まるのすごい最終章っぽい!
ここで葵ちゃんの腕がちぎれたようになっているのは、梔子の生命力が強すぎて魂を奪うことができず、噛みちぎられた…みたいな感じです。やろうとしたのは3章幕間でおっさん相手にやったことと同じですが、梔子相手にはできませんでした。
まあでも、流石に馬鹿強怨霊の霊体に体貫かれたらただではすまないよね…ということで、ゆうあおは無事賭けに勝って梔子を無力化することに成功したわけです。

 

推しの女の子になんてことをシリーズ。
マジで他の人は真似しちゃだめだけどこの辺ひいろさんへの相談皆無でやってるからね。他の人はよその子借りるときはちゃんと相談してからこういうことやってね。
でも朱鷺ちゃんはこういうことで泣き喚くような女の子ではないので、それは描けてよかったな…。この後自力で外れた肩はめるしね。

 

「あなたには教えません」の葵ちゃんのことを考えるとよう喋る勇気、格が…ってなっちゃいますね。面白…(がってる場合ではない)。

 

まあキレないはずがなく…。
カラス素材さんありがとうという感じです。ここから酷使が始まります。
実は暗天がクリスタ漫画執筆デビュー作品なんだけど、マジでこれクリスタで数多の素材を頼りにしてないと一生描き終わらなかっただろうなと思うから頭が上がりません。

 

これはやけにかわいい山田。

 

この繋げ方好きだな…ちょっと気に入ってます。
「自分以外のものが自分の存在を脅かしている」ということだけが、朱鷺ちゃんと黒天の唯一の共通点なのかもしれない、という話です。
それでアイツはどうするつもりなんだ、まで考えてはいます。

 

この後勇気も言ってるけど、朽葉母息子はしょっちゅう上から降ってきてるししょっちゅう床に転がされてるんだよな。あんまり意識してないんですけど親子だな~と思います。

 

この辺りから黒天が『朽葉勝利』みで暴れ出しているんですが。
まず葵ちゃんの討伐命令が下ったけど真っ先に朱鷺ちゃんのところに来て、一緒にいる敵を差し置いて勝手なことした朱鷺ちゃんに物申そうとしてるの「お前の行動優先順位!!」ってなるでしょ。こういうところなんだよな朽葉勝利って…こういう話永遠にできちゃうんだけど…。

 

読み返したら独自言語しかなくて笑っちゃったんですけど…普通に怒ってるからわかりやすい会話する気無くなってる朽葉勝利ですね。
「お前も同じか?」は、お前も俺のことを自由に扱えると思ってるクチか?という意味ですし、勇気に向けた表情は「言っとくけどお前、お前が想像してるよりも危険度低く見積もられてんぞ」の意味です。わかるか!

 

ここもちょっと笑っちゃったんだけど、この勇気葵ちゃんが来てなかったら売られた喧嘩即買って余計ちっちゃく見えてただろうしマジで葵ちゃんが来てよかったなって…。葵ちゃんの存在で勇気の格の低さが露呈するの、脳がキマりますね。

 

こくときもゆうあおもお姫様抱っこ披露してないのに我先に披露するびえらととーみちゃん好きっていうコマ。

 

そしてこれ!この作品初の見開きがコレ!描いててとても楽しかったです。ていうか本当に素材くんありがとう何度でも言うよ…。
黒い影のような蛇で表現しましたが、最初ガチもんの百鬼夜行…妖怪の集合体とかにしようかなと思ってました。作画コストがエグくて一生終わらないなと思ったので没になりましたが…。没にして正解だよそんなん。結果的にこの後の色々もコレにしたおかげで楽できたので良かったと思いますね。

 

流石に興味引けてる。この後勇気がはしゃぐシーンがあることを思うとこの「夏休みの自由研究」発言も大分…アレなんですよね…こんなんばっかだな白黒…。

 

2枚目みたいな態度取っておきながら3枚目でちゃっかり聞いてるのあのさあ…。
これ、「連れて行くな」って指示があったらもう少し素直に連れていってたと思います。めちゃくちゃ天邪鬼なので…。ちなみにこの状況で「明日原朱鷺を連れていけ」と言われることはまずないからそれは考えてないです。

 

朱鷺ちゃんについての指示がないということは朱鷺ちゃんの行動の主導権は自分が握っているということなので、少しわかりやすい言葉使ってるの面白いな。本音出てるけど…。
人に使われるのが嫌いな朽葉勝利ですが、本当に上手く使える人間が現れたらちゃんと言うこと聞くんだろうなあという気がします。こういうところが犬っぽいんだよな…。
お館様、あと梔子は「上手く扱っている」つもりでアレなので嫌いなんですよね…。面白生態黒天。

 

冷静じゃない朱鷺ちゃんから出てきた本音がこれなの大好きだな…。

 

この辺からもう連れて行く気満々になってるな。
朱鷺ちゃんにとっても一門にとっても「この状況で明日原朱鷺と一緒に戦うこと」を選択することは黒天ただ一人のエゴに他ならないわけですから、黒天はそのエゴを取った。
朽葉勝利は誰の言うことも聞かない唯一存在になりたいんだよな~~~ああ~~~(大の字)。

 

それでいて朱鷺ちゃんの自尊心は出来る限りちゃんと守ってやるんだから黒天はやっぱり朱鷺ちゃんに甘いんだと思います。
まあ絶対そうしてやった方が後が楽というか、後に響かないのは確かなんですけどね。潰れちゃった朱鷺ちゃん、暗天の黒天にとってもめちゃくちゃケアがめんどくさいし…。あんまり解像度上げたくないですが。

 

すごいすご~い、ね…。
なんかもうここから葵ちゃんの話あんまり聞いてなくてお腹痛めちゃうな。そういうところなんだぞ、白星勇気…。

 

前に書いた通り、勇気から葵ちゃんに触れることはできません。ので、こういうことするときは葵ちゃんが触れてくれるのを待つ…っていうかたちになるんだよな。
これは多分他のゆうあおでは見られない、暗天のゆうあおだけのコミュニケーションのかたちなんだろうなと思います。

 

伝わってたか自信ないから書くんだけど、あのクソデカ黒蛇は葵ちゃんが触手(?)刺して直接操ってました。こう書くとすごい脳姦みたいだな(最悪)。

 

これでほぼ確信持てる感じになっちゃってるけど、葵ちゃんの居場所はもう勇気の隣になってるんだよなあ…。

 

葵ちゃん自身の触手は黒蛇操作に使っているので、黒蛇から出る妖エネルギーを操ってるよ~っていう描写です。ここから葵ちゃんの戦法はこれになってるはず。

 

下手くそって言われる葵ちゃんもだしやっぱり上から降ってくる黒天もそうだし。

 

二つ目の見開き。マジで地面が真っ黒で楽してる!楽しました。よかった。
そしてハンデ扱いされる朱鷺ちゃん…黒白のときあおちゃんの扱いがひどいなこの更新分。そういうところだぞって言いながら描いてた記憶あります。

 

直後にゆうあおは意趣返しみたいなことできてるんですけどね。ゆうあおのというか勇気にあるこういう穴、私はめちゃくちゃ好きなんだけど勇気が好きな人には申し訳なくなっちゃうな…と思ってました。諦めてこういうところを愛してください。

 

鞘の存在忘れがちなので朱鷺ちゃんに持っててもらうかと思った…というのは冗談で、これ、実は暗天更新始める前にちょろっと話したらひいろさんのウケが良かったので採用しました。メタ理由ですまない…。
でもこの鞘を渡すという行為、普通に信用度高くないとやらない気がするし味はあるな…と思います。

 

回想シーン。普通にセクハラだよな…という気持ちと戦いながら描きました。
でもこくときと『鼓動音』は切り離せない存在だし、暗天でも何かしらやりたいな…と思いこんな感じに。

 

これも図解するんですが、要は『朱鷺ちゃんから黒天へ流れるエネルギーを朱鷺ちゃんが操作するのではなく黒天が操作する』という話です。普通ならできないけど朽葉勝利ならできる、多分。そういうことにしてください。

暗天の主従関係はどの程度深いものなのか、という話題でちょっとしたい話があって、実は暗天の更新始める前に『主人である朱鷺ちゃんの見るファンシーな夢を従者である黒天が見て魘される』みたいなSSを書こうとしていたことがあったのでなんていうかそれくらいは深いつながりなんだと思います。ちなみにこのSSは完成しなかったのでひいろさんにも話してない気がします。ごめん、一生完成しません。

こういうことがあるからおそらく鼓動音を合わせれば上手いことチューニングがされて、従者側からでも干渉が可能になるのではないだろうか。
何で大真面目に自分が描いた漫画のシステム考察してるんだろうか…。ちゃんと考えておきなよという話なんだけどね。
黒天が朱鷺ちゃんの力の出力を絞って使っているので刀の全体に力を行き渡らせることができず、先端だけに集中させているというのもそういうことですね。

 

これ、分かった人がどれだけいるんだって話なんですが、勇気がラストで使った刀?は3章幕間でちらっと出ていた『正義に持たされた短刀』です…。
元は短刀のサイズしかないので、それ以上の刀身は真っ黒なエネルギーでもやもやしています。わかるかー!
でもこういう小ネタ仕込むの大好きなんですよね…ついやっちゃったな…。

 

煽るだけ煽って本命を叩きにいく動き、黒天にとって正解すぎていいな…ってにこにこしちゃった。そして挑発に乗りがちな勇気な!

 

…挑発に乗りがちな勇気な!

 

勇気がキレるとこういう乱暴な口調になるのは前からそうなんですけど、ここマジで言ってることが黒天っぽくてな…。どっちがどっちかわからなくなるのやめてください!

 

ここは葵ちゃんの使う妖エネルギーを水流っぽく描いてる。この後津波っぽいのも描いてますね。
そしてついに朱鷺ちゃんの手から錫杖無くしました。両手塞がってるのこの後困りそうだし、作画大変だったので…。

 

本来の持ち主?である勇気が至近距離で黒天白星を見て「あ、奪お」になるのはまあわかる。
戦闘シーンで喋れること流石に少ないですね。台詞が少ないから…?

 

一周して言えることが無いんだけど大事なところなので貼っておくコマ。

 

体を元通りにできるかどうか、これは可能です。ていうか梔子にちぎられた腕ちゃっかり治してたしね葵ちゃん。
ただここは葵ちゃんのメンタルをざっくり傷つけたシーンなので、そっちにあまり気が回ってない…という感じ。生えろ!と思ったら生えるタイプのやつなんだと思います。
あと勇気が言うこと手のひらクルックルさせてますが、こういう「すぐ意見変えるヤツ」って情緒不安定そうでいいよね…と私は思います。私はね。

 

腕もぎはどこで考えてたんだっけな…大分前から構想にありました。でもひいろさんには一言も言ってなかったです。こういうの多いな…。
朱鷺ちゃんは右肩を外され黒天は右腕を切り落とされているので「お揃いだねえ^^」って笑う勇気とかも描きたかったんですが余裕が無くてカットになりました。そういう気持ちはあるかもしれない。

 

一体誰なんだこの可愛い男の子は…。

 

これを覚えていたら勇気は道を踏み外さなかったかもしれません。でもどうかな…怒りで全部吹き飛んでその時にこれも忘れちゃったのかもしれないし。怒るときに邪魔なのは相手への情ですよね。

 

ひいろさんに一言も以下略!!これ何の暗喩なの?って言われると思うので書くんですけど、私がずっと描きたくて描いてない絵があって…ちょっと軽く図解するんですけど…。

わかるか!! こんなんばっかりだな暗天/星ノ唄…。
黒天白星を女に見立てていたのもこれのせいです。マジで誰もわからん話すぎて恥ずかしくなってきちゃったんですけど、こういうことを考えてたからこういうかたちで出力したんだよという…話です…。

 

ここで言ってる「女」は朱鷺ちゃん、朽葉梔子、そして黒天白星のことで、

 

ここで言ってる「女」は葵ちゃんのことです。わかるわけねーだろ!!!
朽葉勝利言語、流石にkonagonattsuは結構上手に扱えるようになってきたかなと思うんですけどマジで他の誰にも理解できなさそうでこの言語を開拓する意味は…ってなっちゃうんだよな。今のところ楽しんではいますが…。

 

タイトル回収。

邪を祓う切先
闇を裂く一筋の光
錆びず 曇らず 決して折れず
夜に潰れぬ星の煌めき

「闇を裂く一筋の光」はしょっちゅう私がTwitterでも言ってた記憶があります。使えてよかったな。
これがやりたくてこのタイトルにしたと言っても過言ではないので、やれて満足です。ポエムを恥じるな。

 

そしてこの見開きですよね…。
これは気に入ってる見開きなのでTwitterにも貼ってます。二人の本気顔描けてめっちゃ楽しかったです。
朱鷺ちゃんの出血、何!?って思う人もいるかもしれないんですが、1章で描いた鼻血と同じ理屈で弾けて出血したというやつです。ガス欠すると出血するんですよね。
出血箇所は朱鷺ちゃんには操作できないので、完全に運です。当たり所が悪いと脳の血管が切れて普通に死ぬので、本来ガス欠はあまりさせるべきではないことなんですね。
こういう話は本編中でまったくできなかったので補完でした。描けよという話~~~!すまん~~~!

 

オキニ見開きからのこのページもね、好きですね。
一際大きい光で〆られるのめちゃくちゃいい。朽葉勝利は光属性だって言ってるじゃん!

 

対して、これはゆうあお…というか葵ちゃんサイド。
本当は勇気がいなくなっても黒蛇維持できるはずだし、葵ちゃん一人でもやりきれるんだけど…葵ちゃんからしたら勇気がいなくなったら続ける意味無いよね。ということで、黒蛇は倒壊を始めます。

 

自分で外れた肩治すし止血もするしこの女…。

 

首落とすし首拾って寄越すしこの男…。
なんていうかこくときはマジでやることが大胆なんだよな。朱鷺ちゃんのアレは大胆とは違うか…。
ここで葵ちゃんに勇気の首を返した(?)のは…嫌がらせ半分、善意半分、ですかね?

 

大事なページかなと思ったので全部。
葵ちゃんはな…葵ちゃんのベストバウトはここですね。断然ここだと思います。この葵ちゃんは描けてよかったな。
キャラの話のときにこの場面の話をしたのでここでは割愛しますが、私解釈葵ちゃんでこれ以上の葵ちゃんは描けないと思います。

 

夜の終わりとともに消える葵ちゃん。個人的には完全消滅のつもりで描いています。勇気さんのいない世界で生きる葵ちゃんがまったく想像できないの、ひいろさんのせいなんだよなあ!
死が恐い葵ちゃんが勇気がいなくなって死を選ぶの、ゆうあおそういうところ~~~!ってなっちゃいます。ひいろさんがどうかはわからないけど、私はゆうあおの終わりは勇気の死→葵ちゃんの死がいいと思ってるから…。

 

 

終章

どういうことを描きたかったかは朱鷺ちゃんの話で色々書いちゃったなあ。
表紙絵は朱鷺ちゃんのつもりですが、髪を下ろさせることで葵ちゃんっぽくも見えるといいな~というやつです。
終章にはサブタイつけませんでした。考えてなかったのもあるし、無粋かなとも思ったし。

 

黒天白星、普通に夢の中にも浸食してくる設定があります。普通の人間なら憔悴待ったなしだけど朽葉勝利は目覚まし代わりに使ってるという謎設定がありました。何だそれ?

 

どうしたらそうなるんだろうな。ヤムチャばっかりするこくときは大好きです。
黒天のアレ()は寝たらなんとかなりました。別に折れてないしちょっと経過観察が必要なだけなんだけど、医療班の人は「何それ…知らん…」ってなったと思うのでとりあえず吊っておきました。
朱鷺ちゃんはとりあえず包帯巻いてるだけです。

 

言うこと聞かねーなこいつら…動かさなきゃセーフだと思ってやがる!
2章冒頭、2章幕間で出たのと同じ蔵です。朽葉勝利、夢の中に侵食してくるような存在を目覚まし代わりにしてるし、すごくカジュアルに精神修行部屋に籠りますね。誰もいないし邪魔されることもないからってだけで使ってそう。

 

アイツ=朽葉梔子です。
マジでおっかないことは全部聞かせないじゃん。

 

流石に説明シーン作りました。説明シーン入れるか入れないかってすごく難しいですね。私は全部わかってるから最初「いらんくね?」くらいに思ってたんだけど、終章描こう!ってなったときに全部読み返したら「いや想像以上にわけわからんな…」と思って…。
せっかくなら「黒天白星っていうやべーやつがあるけど朽葉勝利は全部跳ね返してる」まで描きたかったのでこうなりました。

 

ここの背景、最初定規使ってたんだけど途中で上手くいかなくなったので結局フリーハンドで描きました。背景、フリーハンドで描いた方が上手くいくとこない?

 

難しいなと思うけど朱鷺ちゃんは決して馬鹿ではないというか、察しが悪いわけではないです(人の好意にはめちゃくちゃ鈍いけど)。「人に気遣われる」と居心地悪くなっちゃうんだよね。そういうところだよね。

 

5章で解説した通りです。なんかここまで来ちゃうと前に話したこと繰り返すだけになっちゃうな…でも本来こういうあとがき作らないもんだからね!それはそうなのよ。

 

かわいいコマ。黒天に対しては適度に失礼な朱鷺ちゃんは可愛い。

 

これ、黒天は「言うこと聞きたくない人の言うことを聞かないために朱鷺ちゃんを利用した」とも言えるわけで。
黒天はそういう風に利用されたら気に食わないので、こういう聞き方をしています。朱鷺ちゃんはこういうの怒らないよね。

 

めっちゃいいこと言ってる風に聞こえるし優しいこと言ってるようにも思えるけど本人は「でもお前その居場所本当にそれでいいのか?」と思ってます。
受け取り方次第って言葉を選べる朽葉勝利、やはり大分甘い!
朱鷺ちゃんは朽葉勝利をどうこうするつもり無いし、朽葉勝利もそれをわかってるからその分好意的な扱いしてるんだよなと思うと、こくときってちゃんと対話ができれば恋愛絡まなくても仲良くなれるのかもしれないなと思いますよね。ちゃんと対話ができればね…(逃げる朱鷺ちゃん)(圧かける黒天)。

 

朱鷺ちゃんを取り巻く環境…………。

 

表情のニュアンス、これで正しいのかわからないです。もしかしたら間違ってるかもしれない…って今ですら思っています。
でも最後のページっていうこともあったし、あんまり暗い感じにもしたくないし…っていう外側の理由もあってこんな感じになりました。

 

以上!クソ長話をしてしまった…。
語りたいことがめちゃくちゃあって頑張って書いたけど、改めて見るとそれにしたって小ネタが多すぎる!し、こうやって解説しないと伝わらないことが多すぎる!反省点ですね…漫画って難しいや。
でも300ページ強、なんかもう描き切っただけでえらいよ。いつ終わるんだ…って思ったもん、解説書きながら。

 

 

ぼやぼや

 最初「あとがきのあとがき」という副題で色々書いてたんだけど、これは…違わないか?と思ったので「ぼやぼや」にしちゃった。暗天描いてる最中考えてたことについてつらつら書こうと思います。

後半、本当に自分のモチベーションを守るためにガッチガチの潔癖になってたんだよね…笑
2年も描いてたのでさすがに最初と最後では大分モチベーションやスタンスは変わっています。なんか、最初の頃にあった「全員読め読め読め読め読め〜〜!!!!」みたいな強気な気持ちは後半に行くにつれ無くなってしまったな…。これは自分の作ったものに対して卑屈になっているが故とかじゃなくて、どちらかと言うと「完結に持っていくためのモチベーションを他人に頼ることへの不安」から来る冷静さというか。
私は私が描くもののことめちゃくちゃ好きなタイプの創作クラスタなんですけど理由は単純で、「私が見たいものをちゃんと出力して完結まで持っていってくれるから」。自分の絵が特別上手とか漫画が上手いとかはこれっぽっちも思ってないけど、でも神絵師も神漫画家も私が本当に読みたいもの描いてくれないからさあ!! 私の世界、私中心に回りすぎ…?
ってなったときに一番怖いことって「出力されないこと」「完結しないこと」なんだよね。だからそこに繋がりそうなものを徹底的に遠ざけたかったという。数字情報がさあ、苦手なんだよ!!!(笑うところ)この数字情報が何を指す言葉なのかは詳細に話せないけど…。
なんていうか、自分の機嫌をちゃんと取ってあげることが自分のためにも周りのためにもなると思ってるからこの辺については特に力を入れて色々やってるんですよね。他の人から見たら過剰なくらいやってると思う…具体的に何してるとかは言えないけど(生々しいので)。
後はあれだよね、完結させるために省ける作業は全部省いています。プロット作るとか、ネーム作るとかまったくやっていません。ちょっとメモるくらいはしてあるけどそのくらいですね…。ネーム作業というのがめちゃくちゃ嫌いなので、300ページもそんなことやってたら普通に続いていなかったと思います。でもこれやってないからこんな拙いことになってるんだよな!バランス取るのは難しい…。
完結させるってすごいことだなと思いました。このくらいやらないと完結させられないんだもんな私は…。コンスタントに物作って完結させてる人はマジですごいなと思いました。

語りたいこと、以上! 他にもなんかあったような気がしますが思い出したら追記します。
ていうかあとがき書いてて思ったけどこんなに書いてるのに「これは描く予定あるから書けないな…」って思うことちょくちょくあったな。こくときはいくら舐めしゃぶっても足りねえよ~~~。
あ~~~描き終われてよかった。これで本気で自由だ…。

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